悲しき 極道

伊吹はイジメられっ子やった。

同じ三年生の小田が、
イジメっ子や。



今回も小田が命令したらしぃわ。

ワシは伊吹から話を聞いて、
小田に言いに行こうとした。

田原本がワシの腕を掴んどる…

「…なんや?」

「やめときな」

「ほっとくんか!!」

ワシは田原本の腕をはらって、
小田のおる部屋に向かった。



小田はノンキにマンガ読んどる。

ワシは迷わず、小田の頭を蹴飛ばした!



ハズが、空振りした…

もぉ一発と思ったが、
先にドツかれた。

後はボコボコや。



小田には、
ゴマすりの舎弟
南部がおった。

みんなからは、
スネオって呼ばれとった。


コイツが後から、
ボコボコにしよったんや。
ワシの、
『その内、イワシたる!!』
リストに入った。



結局、
伊吹の件をどぉする事も出来ず、
寮長には
ワシが伊吹をイジメて、
ホッペタに穴あけたさかい
小田が正義の見方になって、
ワシをドツイた〜

みたいな事にされた…


うまい事、ハメられたわ。

寮長にもボコボコにされた…



その日から三日間、
朝の8時から
夜の9時まで正座や。



真実を話しても、
イイワケになるさかい
ワシは耐えた。

正座しながら
ジャイアンとスネオをイワす方法を考えたー
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