悲しき 極道

見事なダッシュ

結局ハマは、
ワシらと同じボウズにした。

可哀想に…(笑)



ワシらは、
ヤンキーが集まる
ロイヤルホストに向かった。



当時ワシらの時代は、
オールナイトでやっとるんが
ロイヤルホストくらいやった…

ヤクザ予備軍と
暴走族のたまり場やな。



ワシと藤は、
後ろに
ひっくり返りそぉなぐらい
イチビって歩いた。

…その歩き方シンドイやろ!?
って思われるくらいな…


「藤、
みんなワシら見とぉな〜」

「シブい思っとんやろ♪」

ワシらは上機嫌ですわ。


花道を満喫したワシらは、
ロイヤルホストの手前にある
タバコ屋のガラスで、
いちを身だしなみを
チェックした。

短い髪を両手で触りながら。

「よし!決まっとぉな!!」

「完璧や〜!!」

「カッコえぇ
カッコえぇ。」

オッサンの声や。

振り返ったら、
ハマの後ろに警察が立ってた…

「…ヤバいかも…」

今までの調子から一転、
この世の終わりみたいな
気分になった…



なんや通行人が、
通報したらしぃわ。

アブナい子らがウロウロしとるとな…

…どこがアブナいねん!!



…トンコもここまでか…

ワシが諦めて藤を見ると、
藤がウインクしよった。

なんや、こんな時に…

ワシは、そのケないで!


そんな事考えてたら、
急に藤が走り出しよった。

「えっ!?
なんや!!」

ワシも訳が分からんが、
走り出してもた。

必死で藤の後を追いかけた。


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