悲しき 極道


藤は学園でも足が早かった。

ワシは遅い…

いっつも恥ずかしぃ思いしてた。



気がつけば、
ポリコの声もしやへん。

ウマい事逃げたみたいや。

「もぉええやろ〜」

藤がワシを止めよった。

それも後ろから…


「なんで後ろにおるんや?」


ワシは必死やったさかい、
覚えてないが
藤を抜いて行ったらしぃ…

…ありえへん…




ワシらは、
マンションのゴミ置き場に隠れた。

「ヤバかったな…」

「ホンマやなぁ…」

ワシらは笑いながら、
タバコに火つけた。




「そろそろ行こか?」

藤が腰を上げよった。

「ロイヤルホスト行こか〜」

気分入れ替えて、
ワシらはゴミ置き場を出た。



「逃げたらアカンがな〜」

声と同時に、
腕掴まれた。


ポリコや…

今度は藤も腕を掴まれとる…




結局、
ワシらのトンコは
一日で終わった。


警察署についたら、
寮長が待っとった。

そのまま学園戻りですわ。



学園に連れて帰られた
ワシらの運命はー


…顔の原型が分からん位、
ドツかれて
正座して反省文やな…


正座したまま、
バリカンで頭コスられた。

鬼パチを消すために…

…痛い…
< 48 / 72 >

この作品をシェア

pagetop