悲しき 極道
二回目も山田が勝ちよった。
ほぼ、山田かな。
急に山田が手ぇ上げよった。
「センセー
トイレ行きたい!」
「ガマンしろ!」
「ムリです!!」
山田は緊張したんか、
走ってトイレに行きよった。
「それなら、
俺もー」
牧も後を追いかけて
行きよった。
「二人で〜連れション〜」
クイコミが
一人で笑いながら、
歌に交えて言いよった…
オモロイとでも
思ったんかな?
一人で笑っとる…
しばらくしたら、
二人一緒に戻ってきた。
その後は、
牧が続けて二回勝ちよった。
ワシらは分かってた。
牧がトイレで
何か言うたか、した事を。
結局、
生徒会長には牧で
副会長に山田がなった。
山田は
シックリきてないみたいやが、
二人で話しおーたんやさかい、
これでえぇやろ。
牧は
生徒会長になってから、
ワシらに近づいてくるよぉになった。
いちを学園の
実質のリーダーやさかいな。
仲良くなるんもスグやったわ。
昨日の敵は、
今日の友言うてな…
ある夜、
ワシら五人は集まって
タバコ吸うてた。
まぁ、
ちょっとした
集会みたいなもんやな。
タバコ吸い終わって
山から降りてたら、
各寮の灯りがつきよった…
「…アカン…
バレてもたな…」
ワシは、
またかよ…
って感じで呟いた。
「どない、
どないするん!?」
牧が
焦って言いよった。
「ドツかれるか、
逃げるかやなー」
ゲンが言いよった。
みんなは一瞬
黙り込んだ。
結局、
全員一致でトンコになった。
このトンコが、
大惨事を
巻き起こす事も知らんと…ー