悲しき 極道

三日目〜

ゼットンは
ワシの後を
追いかけてきたらしぃ。


コイツだけは、
憎めん。


まぁ学園おっても
ワシがおらな
イジメられるんやしえぇか。




この日は朝から大変や。


ワシら学園五人衆で
『獄死連合』
って言う
チームを作ってたんやが、
初の闇レース決行日や。


夜の裏六甲を
ライトつけやんと走る。

なかなか危ない遊びや。


ゲンらは牧ん家によって、
四人でバイクを
調達してきよる。


ワシとハマは、旗作りや。

あ…
ゼットンも邪魔しながの
手伝いやな…




夕方に近づくにつれて、
なんやハマが
ソワソワしだした。


落ち着きがない。


「どないしたんや!?」

「ちょっとしたら〜

来るから〜」

「彼女か?」

「そぉ〜♪」


それでオカシかったんか。

すぐ分かるヤツやで
ホンマ。




しばらくしたら、
扉叩く音がした。


ホンマにきた!!

ワシはハマの
親でも何でもないが、
緊張した。


ワシまでソワソワしてきた。



扉が開いたさかい、
急いで立った。


「初めまして!
ハマの、
保護者…いや、
ツレ…いや、
友達の…いや、

…あ、
友達やったー

友達のシュリです!!」

訳の分からん挨拶して
下げとる頭上げた。




…えぇーッ!?

えぇーーーーッ!?


松田さんやん!!!!!!!!



ワシは倒れそぉになった。

てっきりゲテモンやと
勝手に思い込んでたさかい、
ヨシケンにバットで
殴られた時より、
衝撃はあった。




松田さんとハマでは
美女と野獣やな。

せやけど、
知ってるモン同士やさかい
なんか余計に
嬉しかった。


ハマが捨てられるんも
時間の問題やろぉが、
取り敢えず今は
お幸せに〜!!




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