悲しき 極道
そろそろ夜や。

高山とノブは
CBとGXを仕入れてきよった。


ゲンは
後輩の家から、
スクーターを
パクってきよった。


「ワレなんやねん
それ…」

「これしか、
なかったから…」


まぁ仕方ない。


「ハマちゃん、
ワシらのは?」

「もぉ来るハズ…
やけどー…


きたきた!」




きたんは、
カブとラッタッタや…




結局、
ワシらが一番
ダサいやんけ…(涙)


ワシがラッタッタで、
ハマがカブや。


エンジンかける時、
小声で
「ラッタッタ…」
って言うてもたわ…(笑)




気を取り直して、
六甲山目指して走り出した。


牧と高山とノブは
すいすい走っとる。

ゲンとハマは
なんとか着いて行けるが、
ワシはムリ!


なんせ後ろには、
ゼットンが乗っとるし
ラッタッタやし…






山道に入るまで、
一番走ってた牧が
スピード落としよった。


暗くなってきたさかい、
怖なってきたんやろ。


徐々に高山とノブも
遅くなってきた。



しゃーないから、
ワシが先頭走ったった。


情けないヤツらやで…




山道も半分くらい上がった頃、
ゲンとハマが
ニコニコしながら
抜いて行きよった。


「クッソー!!」



頑張っても追いつかん…


あきらめた。




次の瞬間、
カーブから車が現れた!


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