x.stage
気分がすっかり良くなったことを伝えると、架凛は奥から温かいコーンスープを持って来た。
「お腹すいてない?」
「すいてます!腹ペコです!いただきます!」
このような状況でも食べれるのだからまだ大丈夫と、千夜は二杯目のスープを飲みながら思った。
だが、とりあえず架凛に聞きたいことは山ほどある。
千夜が何から聞こうか迷っていると、架凛が思い出したようにこう言った。
「そういえば、千夜さんはどこの国の方?」
「国…ですか。日本ですけど…。」
日本という言葉を聞いても、架凛はピンとこないらしい。
「海に浮かぶ島国で、アジアとアメリカの間にあるんですけど…。」
「アジア…?それは一体どこの国?」
何かがおかしいと千夜は感じた。
アジアを国と間違えている人はそういないはず。
ましてや架凛は20歳前後だろうし、常識が無いわけがない。
「あの…地図、ありますか?」
震える声で受け取った地図を見て、千夜は思わず叫びそうになった。