x.stage
「報告した内容にも、異世界に繋がりそうなことは伏せておいた。帰る家についてはここにしといたけどね。」
架凛はくすりと笑って、大歓迎と呟いた。
「千夜ちゃん、旅人…異世界人がこの世界でどう思われているかは聞いたね。」
昨日、架凛に聞かされた言葉を思い出しながら千夜は答えた。
「はい。災いをもたらす…だから恐れられるんですよね?
「そう。だから表向きとして、君は架凛の客人。この国に来たのは初めてってことにしといた。」
「そうね。それなら陸くんが他の国にいる可能性も疑わせることができる。」
どこにいるかわからない以上、下手に場所を絞るわけにもいかない。
これは、レクエルドにいるか、生死が不明であることはあえて除いた結論だ。
彼がここにいることはほぼ確実であると、千夜を含めて4人とも考えていた。
状況からしても、来るならきっとレクエルドであると、架凛は予め真郷に告げていた。