きみと猫と僕と。
「あおさん、今日お仕事、お休みですよね。
だから、遊びに来ちゃいました」
猫も行儀よくにゃぁと彼女の腕の中で鳴いた。
「そうだけど。
それより、俺の名前は『あお』じゃないつつーの」
「でも、青って字を書くじゃないですか」
それはそうだけど
僕の名前は青人って書くがまさか、そのまま読むはずもなく
「はると」と読むのだけれども
彼女は自分の名前の
「夏」と並ぶと兄弟みたいだから嫌だと言って
「青さん」と呼ぶ。
「今日はこの猫の名前を
相談しようと思って来ました」
彼女は僕の言ったことを
完璧に無視して
にっこりと笑って言った。