傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
ソファですやすや寝息を立てる奏の寝顔を、テーブルに肘を付いてじっと見つめた。
あーあ、言っちゃった。
もう、本当の本当に、奏とは一緒に居られなくなっちゃうな。
助けに来てなんて、言わなかったのに。
何処であたしの居場所を嗅ぎつけたんだろうか、この人は。
「奏は、なんであたしに構うの?」
返事の返ってくる訳ない質問を、小さく呟く。
記憶障害だなんて、信じたかな。
奏は、綺麗な人だから。