傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
ピピピピピピッー
毎朝同じ時間にセットされた目覚ましでハッと起き上がる。
昨日はソファでそのまま眠ってしまったらしい。
やばい、今日は朝番だった。
慌てて支度をする。
朝からマスターが用事があると言うから、今日は俺が朝店を開けなければいけないのだ。
間に合うか、バスに。
家を飛び出す瞬間、あの赤い傘が目に入る。
今日は雨は降らないらしい。
「・・・・」
迷ったあげく、その傘を引っ掴んで家を後にした。