傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
それから4日経った昼時、朝から曇って居た空からようやく雨がポツリと降り出した。
丁度家でのんびりとしていた俺は慌てて着替えて、家を飛び出した。
二週間ぶりの雨。
何が嬉しかったのか、小雨の中を傘も差さずに走っていた。
単純に、嬉しかったんだろうけど。
バスを降りて喫茶店に急ぐ。
流石にユイはまだ来て居なかった。
「お、来たか」
「あいつ待たせちゃ誘った俺の顔が立たないし」
「お!男になったな」
俺は相当浮かれてたんだ。
数時間後にその笑顔が跡形も無く消え去るなんて知らずに。