傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
閉店時間 間近。
ホットミルクを飲んでいたユイが、ガタッと席を立った。
「あたし、帰る」
「え?帰るって何処に・・・」
「何処にって、家だよ」
さらっと言ってのけたユイに、俺の動きが止まる。
「・・・家」
「うん?またね、奏」
そうだよな、そうだ、ユイには帰る家があるんだ。
俺は何を考えてるんだろうか。
「・・・ユイ?」
「なに?」
「今度、いつ来る?」
ユイの顔から笑顔が消えた。
ああ、聞いてはいけなかったんだ。
俺は・・・自爆した。