傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
「明日、バイトある?」
突然そう口を開いたユイに思わず「へ?」と言う。
「明日は・・・明後日なら、あるけど」
「じゃあ、明後日来る」
「え?」
俺が言うと、ユイは「なに?」と笑った。
やっと俺からも笑みがこぼれる。
「バイトしに来るんだからね。マスターさん、良い?」
「うん、ユイちゃんが来れるならいつでも」
「じゃあね、奏」
「・・・おう、じゃあな」
ユイは俺を見て小さく笑うと、店を出ていった。
明後日・・・か。
何故か少しだけ、嬉しくなる自分が居た。
俺の平凡な日々が、変わって行った。