傘恋愛 -カ サ レ ン ア イ-
いつものコンビニに着いて、俺達はそっと繋いでた手を離した。
「じゃあ、またな」
「・・・奏」
少し歩いた所でユイが振り返る。
「ん?」
「あたし、側に居るよね?」
「え?」
「奏の隣に、居るよね?」
「・・・ん、居るよ」
俺が答えると、ユイは小さく笑って何かを俺に投げた。
「マスターがくれたの、お疲れ様って」
「飴?」
「イチゴ味、好きじゃない」
「お前・・・」
「マフラーのお礼」
ユイはそれだけ言い捨てて、くるりと後ろを向いて走って居なくなった。
なんとなく、なんとなくだけど、ユイが笑ってる様な気がした。