キス、しちまいました
「ひとーつ」

ぴっ、と春は人差し指を振り翳す。
「あの女の子とは、お知り合い?」


観念して答えた。

「…知らない。名前も、年も。一ヶ月ぐらい前からよくコンビニに来てるのは知ってる」


「…ふぅん、じゃー二つ目」

続けて春の中指が天井を指す。
「最近コンビニに誘ったり、買う品物を決めるのに妙に時間かかるのは、あの女の子関連?」

「…否定は、しない」
っていうか出来ない。


「三つ目。」
篤が口を開く。

「何でキスしたんだ?」

「……………………………………、わかんねー。」

気がついたらキスしてたんだよ、ぽそぽそ呟いて付け足す。


それを聞いた二人は目を合わせて肩を竦めてた。

「こりゃ重症だ。色々溜まっちゃってる」

「つか、大胆すぎだろ。お前痴漢にされても文句言えねーよ」

しちゃったもんは、仕方ねぇじゃねーか。

「…なぁ」

「うん?」「あ゙?」

「お前ら、暫くコンビニにいただろ。あの子あの後、どうしてた?」
学校に着いてからずっと疑問だったことを尋ねた。

「俺も坂本も呆けてあの女子見てた。暫くしたら落としてた飲み物拾って、レジ並んで買ってた。」

「…で?」

「さぁ、知らね。」

「学校行ったんじゃないのー?ふらふらしてたけど」

「…あ、そ」

溜め息をつきながら窓の外を見る。

グラウンドでは体育の授業だろう、生徒達が走ったり何やらしていた。
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