キス、しちまいました
あれ…俺、キス…したよな。

それって、相手にしてみたら『何かよく知らないヤツがいきなりキスしてきやがった。痴漢?キモッ』…って。

冷や汗が垂れる。


俺…
やっちまった?

「春、篤……どうしよう、俺…」

「ドンマイ★」「諦めろ」

「人でなしぃぃ!!」

「まぁまぁ、まずはちゃんと謝ることから始めればいーじゃん」

謝るだけで済むか?とか、篤が呟いた気がするけど無視。

「謝るったって、どう言えばいいんだよ…」

「ま、そんな由生クンにこーれっ」

「…御守り?」
渡されたのは、小さな御守り。

「そ。恋愛成就。今の由生にピッタリじゃん」
「何で坂本、恋愛成就の御守り常備してんだ」

「勘違いすんなよ篤。俺のおじさん神主やってっからさ、この前何でか貰ったんだよ。ま、俺には必要ないしぃ?」

…最後の一言が何かムカつくな。

「ま、有り難く貰っとけって。鍵にでもつけとけば?」

「おぅ。サンキューな」

まぁ、困ったときの神頼みって言うしな。

鍵を取りだそうとしてポケットを…

…あれ?

「鍵が、無ぇ」


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