キス、しちまいました
思わず聞き返した。
「へっ、あ、…リップ?」
…それが、どうしてこうなったんだろう。

確かに、この前美ぃちゃんと買い物に行った時に買ったリップをつけてきた。

それが、今のちゅーと何か関係あるのだろうか。

少年は切羽詰まったように慌てて付け足した。
「取ろうと思って、」

…………。

何で?

だから、何で!?

そんなに私がリップつけているのが気にくわなかったんだろうか。

言い訳?言い訳なの、これ。

それとも、リップに対して何かしらの怨恨があって今のような行為を…!?
こう、俺の兄貴はリップに殺されたんだぜ、みたいな。

うん、成る程。
ごめんわからない。

「…えっと、その」

ありゃ、続きがあるみたいだ。

少年の言葉を待つ。

少年の顔は真っ赤だった。
「―っ」
待つ。

「――ゴメンッ」

待っ…謝られました。
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