キス、しちまいました
ふぅ、と息を吐いて自分を落ち着かせる。

今すべきこと。

現状の打開。

まずはここから出ること。

私は今何処にいる?
―コンビニ。
私は何をしに来た?
―ジュースを買いに。

そう。ジュース買いに来たの。紅茶欲しかったの。レモンな気分だったの。
なら買えばいい。

ジュース、もってきた何処、足にあるそうだ手から落ちたさっき床に何故?



ちゅーされたから。

「……」

頬がまた赤らんでくるのがわかる。

頭を小さく振って、床にあるジュースを拾う。

ジュース、

レモン。

ファーストキスは、レモン味。

初めてのキスだった。

この年(17)でまだだったんだぜ…ハハ、笑っちゃうだろ?
現実なんだぜ、これ。
似たような言い回しを美ぃちゃんが言ってたので引用してみました。

レモンの味はしなかったけど、熱かったのは覚えている。

絡み付く視線を纏ってレジへと向かう。

自分ではしっかり歩いているつもりなのに、ふらふらと足が地についていない気がする。

< 26 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop