キス、しちまいました
全体的に緑な制服に身を包み、学校指定であろう鞄は肩にかけ、しっかりと抱いた少女。

真っ直ぐに飲み物コーナーへと足を動かす様子をこっそりと観察する。

隣駅にある私立で有名な女子高、しかも小学校まで繋がったエスカレーター式のお嬢様学校らしい。

結構知られた学校なので制服を見ただけで分かる。
別に俺がストーカーなわけではない。
…違うよ?

一ヶ月ほど前からこのコンビニで見かけ、以来2日に一回は姿を見かける。

さらさらと、男の俺でも綺麗だと思うようなストレートのショートの髪。

多分地毛だろう。
クラスの女子がストパーたるものをかけたと言っているのをみたが、こんなに綺麗なストレートではなかった。

ド天パがいるということは、ドストレートもいるということか。

さらさらすぎるのだろう、前髪がたなびいて漫画のアホ毛、もしくは妖怪少年のアンテナみたいなものが生まれる。
…触ってみたい。とか思う俺は変態なんだろうか。


俺の近くを通りすぎ、女の子は飲み物コーナーで立ち止まった。


< 3 / 35 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop