キス、しちまいました
え、
…え?

何やってんの、俺。

「………。」
俺の無言。

「………。」
少女の無言。

彼女の足元に午後ティーが落ちている。


「……っ、ぁ」
意識が戻ったのか小さな声が少女の口から零れでる。


「――リップ、ついてたから!」
咄嗟に出た俺の大きな声に、彼女はビクッと肩を強張らせる。

「へっ、ぁ、…リップ?」

それがどうした、そんなことは俺が訊きたい。
にも関わらず、俺の口は勝手に動く。

「取ろうと思って」

いやだから何でだよ、なんていうのは俺がツッコミたい。

理由どころか言い訳にもなっていないじゃねぇか。

「………、……?」

謎の言葉を聞かされて、女の子は戸惑うというかキョトンとしている。

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