指先の恋
主人公
「オトコってさ、そんなに天然好きなの?」
軽やかにブラインドタッチしていた僕の手が止まる。
パソコンの画面から隣に目を移すと、そこには黒髪美少女。
白い肌に、吸い込まれそうなくらい意志の強い瞳。
見た目は僕の小説通りなのに、いかんせん中身に問題がある。
いつもほんわかと笑っている、優しい雰囲気だという設定なのだけど……。
「ちょっと抜けた感じのほうが好感が持てる気がするんだけど」
僕がそう言うと、彼女は大きくため息をついた。
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