嫌な女、好きな男

久しぶりに栄恵は馴染みのバーへ行った。

マスターの久保田と見習いの玉田志織が2人で働くこじんまりとしていて、落ち着いたバーだ。

丁寧な接客と笑顔がお気に入りの志織が二十歳だと知った。

『栄恵さん今日は何か雰囲気違うみたい。』

『そお?男と別れたからかなぁ?』


『栄恵ちゃんまたダメになっちゃったの?この子と一緒じゃん。』

『あ~!久保田さん余計な事言わないで。』

『栄恵ちゃん、この子さ喧嘩別れしたから家帰れなくてお店か漫画喫茶に泊まるなんて言ってるんだよ。可哀想で笑えるでしょ?』

『確かに笑えるわ。なんなら志織ちゃん家に来なよ!んで飲みあかそう、文句いってさぁ』

もうどうでも良かっただけだった。

ただ思いきり愚痴を吐いて、思いきりお酒を飲んで何も考えたくなかった。


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