氷雨
第一章

┗昔々

――――――――――――――――――――10年前

幼稚園の教室から1人の男の子が泣きながら出てきて叫んだ。

『うわぁん!あむぅ、ボクのかいたえがぁ!』

『ゆーちゃん、だいじょうぶ!?あむがなぐりとばすからなかないで!あとで、またいっしょにかこう?』

『うんっ!』

小さな男の子が手に破られた絵を持って号泣しているのを、同い年の女の子が頭をなでながら励ましていた。
なにやら物騒な事も言っているが。
そして、女の子は男の子が泣き止むと、手を繋ぎ教室に入っていった。
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