エデン

恐る恐る目を開けるとそこに狼の姿はなく、変わりにいたのは白い翼を生やした一人の少年だった。

その姿はとても綺麗で口をポカンと開けたまま見惚れてしまうほどで・・・

『大丈夫か?』

『・・・・・』

『・・お前、頭悪いのか?』

返事をしないサリエルに、少年は訝しげな瞳を投げている。

サリエルはハッとなってぶんぶんと首を思い切り振った。

『この森は危ない。さっさと出た方がいい』

そう言って少年はサリエルを促すように一瞥すると、翼を広げて飛び立った。

サリエルも慌てる様に翼を広げ、少年の後を追いかけた。





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