エデン

‥‥お前はそれでいいのか?

カムイにそんな事を言われるとは思わなくて、一瞬言葉を失ってしまった。

「お前何言ってんだよ?」

ヒビキの声ではっとなって顔を上げると、ヒビキが訝しげな視線をカムイに投げていた。

「結婚するってのに、いいも悪いもあるか!」

ヒビキはは殴りかからんばかりの勢いでカムイの胸倉を掴もうとしたので、咄嗟に二人の間に入った。

カムイは微動だにせず、間に入った僕に視線を落とした。

「お前には聞いてない」

「アナンも賛成してるし、第一お前には関係ないだろ!」

「ヒビキ!!」

僕を押しのけて、殴りかかろうとするヒビキに必死にしがみついた。

「‥‥自分が我慢すりゃそれでいいか」

「‥‥‥‥」

どくんと胸が鳴る。

結局カムイは最後までヒビキに視線を合わせる事無く、バイクに跨って行ってしまった。

ヒビキは腹立だしげに地面を蹴っている。




なんでだろう‥‥


カムイには嘘つけないや。


僕の気持ちを覗かれてしまう。


あまり考えないようにしてたのに‥‥‥




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