極上!ブラックコーヒー
春夏秋冬
「お待ちどうさま」
「わ─い!春兄の特製カフェオレだぁ〜っ!いただきます〜!!」
大好きな味。
ブラックコーヒーは苦くて渋いから嫌い。
これは私だけのとっておきなんだ。
「昔から変わらないよな、その夏木のおいしそうに飲む姿」
「……そ、そうかな」
ちょっとだけ照れてみせる。
いや、ってか……春兄の視線をすごく感じるんですけど……
「あ〜っ!!そうだ!!」
「どうしたの?」
ダメだ、私にはこの空気が耐えられない。
「あ、その……今日はあいつの姿が見えないな〜と思って」
「秋人なら朝出かけて行ったよ。日曜日に出かけるなんて、『デート』かな」
「そ、そうなんだ」
まぁ、私には関係ないけどっ。だって、私の好きなのは……
「夏木、まだ言ってなかったよな」
「?」
「俺、来月結婚することになったから」
「け、け、けっこんっ──!!!!!」
っというわけで、
私の『初恋』は無惨にも砕け散ったのであった……