極上!ブラックコーヒー
「あ──ごめん。すっかり遅くなっちゃったよ」
入ってきたのは冬君だった。
時計は21時を示している。同時にカフェ『シーズン』の閉店時間でもある。
「どうしたの?二人とも真剣な顔しちゃってさ」
「あ、いや……その。現在の日本について話合っていたのよね!!」
「あ、ああ」
「ふ──ん」
冬君の視線が痛いんですけど。
「私、そろそろ帰って宿題しなきゃ!!じゃあね、ごちそうさま」
今はとにかくこの場から去りたくて、その理由を一生懸命探していたんだ。
「お前、いつからそこに居た?」
「や、やだなぁ。さっき来たに決まってんじゃん」
「……嘘が下手だ」
「え──っと……『俺はお前が好きだ』の辺り、かな」
「ってことは殆ど、全部聞いてたってことか……」
「僕はずっと秋がなっちゃんのこと好きだって分かってたからね。別に今更……」
「バツとしてお前一人で後片付けな」
秋人はエプロンを取ると彼の頭上に放り投げた。
「はいはい……」
「それと、サンキュー。お前だろ、『特製カフェオレ』の作り方書いておいといたのは」
「……バレたか」
冬人は小さく舌を出してみせた。
入ってきたのは冬君だった。
時計は21時を示している。同時にカフェ『シーズン』の閉店時間でもある。
「どうしたの?二人とも真剣な顔しちゃってさ」
「あ、いや……その。現在の日本について話合っていたのよね!!」
「あ、ああ」
「ふ──ん」
冬君の視線が痛いんですけど。
「私、そろそろ帰って宿題しなきゃ!!じゃあね、ごちそうさま」
今はとにかくこの場から去りたくて、その理由を一生懸命探していたんだ。
「お前、いつからそこに居た?」
「や、やだなぁ。さっき来たに決まってんじゃん」
「……嘘が下手だ」
「え──っと……『俺はお前が好きだ』の辺り、かな」
「ってことは殆ど、全部聞いてたってことか……」
「僕はずっと秋がなっちゃんのこと好きだって分かってたからね。別に今更……」
「バツとしてお前一人で後片付けな」
秋人はエプロンを取ると彼の頭上に放り投げた。
「はいはい……」
「それと、サンキュー。お前だろ、『特製カフェオレ』の作り方書いておいといたのは」
「……バレたか」
冬人は小さく舌を出してみせた。