極上!ブラックコーヒー
甘くなる方法
さて、次の日。
「最悪だぁ〜ぁ」
よりにもよってお弁当忘れるなんて……
そうだ!購買部でパンを買おう!!
って……15円しかない。
財布の中身はどんなにひっくり返してみても、十円玉一枚と五円玉一枚しか入ってなかった。
こんなんじゃ今時、何も買えないよ──
グルグル……
はぁ、お腹空いたなぁ。
こんな時、お腹の虫は容赦なく騒ぎ始めていた。
とりあえず、水道水で飢えをしのぐしかないか……
「なっちゃん〜一緒にお昼食べよ」
親友の美咲が声をかけてくれた。
「……ごめん、私お弁当忘れちゃってさぁ〜」
「えー─!!そうなの?じゃ、私のお弁当半分分けてあげるよ」
「そんな、悪いよ。私、今日はそんなお腹空いてないから、気にしないで!!」
「でもぉ……」
ボスッ
何か柔らかいものが頭の上に直撃した。
「ほれっ、昼飯」
「……秋……人」
頭にあたった柔らかいものの正体はどうやら、購買部で買われたパンだったようだ。
「よかったね、なっちゃん!」
「……うん。ありがと」
「昨日の詫び分だから気にするな」
あっ……
そーいや、今日は朝からまともに秋人と顔も合わせてないし、会話も交わした記憶がない。
(同じクラスでも席は離れてる)
「いいなぁ、幼なじみって。以心伝心っていうか分かりあえてる感じでさ」
「……分かりあえてるのかなぁ」
確かに短所とか長所とかは理解してるつもりだけど。
本心までは分からないよ……