極上!ブラックコーヒー
「アハハ……いやだなぁ、またど──せ『冗談だよ、ばーか!!』とか言うんでしょ。その手には乗らないんだ……か……」
秋人の顔が近づいてきたと思ったら、
次の瞬間、
私たちはkissをしていた。
「これなら信じてくれるのか」
「……」
私は頭の中が真っ白になって拒否するとか逃げるとか……そんなことさえも忘れていた。
「今まで自分の気持ちごまかして他のヤツと付き合ったりもしたけど、やっぱり諦めきれなかった」
……あの時の……
『あんたなんか最低よ!!』
私が缶コーヒーを大量に抱えながら見た光景が頭を過ぎった。
彼女と別れ話でもしていたのだろう。
「お前じゃなきゃダメなんだよ、夏木」
「わ、私は……」
ガチャ
店の裏口の扉が開いた。