君がくれたもの
重たい口を開くように言葉を選ぶように……。

「……ごめん。やっぱり何でもない。」

「何だよそれー!!
そこまで言ったら気になるじゃんか!!」

「気になんかならないー!守はデリカシーないんだよ!!!」

ボーッと話しを聞きながら考えてた。

やっぱり面倒くさいのは嫌だ。

集まったって喧嘩ばかりで。

どうすればいい?

答えもわからない。

俺は………

その日の帰り道は一人だった。

守も美香も家は反対方向で。

蝉がミンミン鳴くのを聞きながら

「夏ももう終わりか。」

ぽつり。

と話し相手もいないのに呟いた。

夕方はやけに暑い。

暑くて、暑くて、

頭がどうにかなりそう。

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