君がくれたもの
(みんなの事ちゃんと、わかってなかった?)

ふと浮かんだ疑問に首を傾げる。

小さい時からずっと一緒だった。

夏休みの自由研究も遠足のメンバーだって。

当たり前だったし、お互いの事わかってた。

……と思ってた。

実際はそんなんじゃなくて。

今日みたいに会ったら誰かが誰かと喧嘩して……。

(どうしたら戻れるんだろ?)

自分は律みたいに言いたい事を言えるタイプじゃない。

また祐二のように頭は良くない。

(でも、俺が何とかしなきゃな。)

目を細め心に決める。

そして一歩一歩と歩みを強めた。

「美香ーコンビニ寄らねえ?アイス奢ってやんよ。」

「アイス!?アイス食べたいー!!」

さきほどの発言に抵抗のつもりで言った。

……つもりだった。

(やっぱ敵わなねえ。)

「美香には逆らえないな。」

「ん?何か言った?」

「何でもねえよ。」

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