君がくれたもの
ピンボーン

チャイムの鳴る音がする。

祐二は戸惑いながら扉を開ける……

(どんな顔して接すればいいんだ?)

家に来る相手は誰か知っていた。

彼女が来る事もお節介者の守から聞いている。

きっと喧嘩した事で謝らせたいから呼んだのだろう。

美香も律もそのために来るようなものだ。

律は……わからないけど。

「よっ。」

震える声を押さえながら目線は斜め上。

「よお!!祐二!!」

「おっじゃましまーす!!」

「大勢でおしかけて悪いな。」

テンションの高い声と落ち着いた声が交互に耳に入る。

(なんだ……いつも通りじゃん。)

と思った。彼女を除いては。

一人だけ場違い?な服装に明るい髪。

いかにも

「無理矢理連れて来られました。」

と言いた気な顔をしている。

「じゃ靴脱いで上がって。」
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