君がくれたもの
高校で仲良くしてる友達とは釣り合わなかった。

はぶられるのが嫌で笑ってるフリをしている。

大人びた服装をして髪も染めて……

でも、今この場所で。

四人の前でもこんな格好する必要はあるのだろうか。

意地を張ってまで、こんな態度をとっていた必要は……

それは自分でもわからなかった。

どうして、守に誘われてまで祐二に謝りに来たのかも。

本音を言えば、
「律に会いたいから。」と言うのがあったからで。

最低だと思う気持ちもあり、申し訳ない気持ちもあった。

いつだって、自己中で。

自分勝手な気持ちで周りに迷惑をかけて。

「………あのさあ!」

思ったよりも大きな声が出てしまった。

声に振り返る四人の、表情。

律の目と菜子の目がぶつかる。

じっと見つめ合って。

菜子だけを見ていて。

……あの頃と、違う。

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