君がくれたもの
自分の机にふと目が動く。

机の上には写真が二つ。

その写真はどちらも幼なじみ達と撮ったもの。

だけど、一つだけ違う。

俺は立ち上がり一つの写真を愛しいそうに手に取った。

写真には真ん中で嬉しそうに笑う少女がいた。

「美香…」

彼女の名前が不意に口から出る。

懐かしいような、悲しいような…。

わけがわからない気持ちで写真の中の少女に話しかける。

「六年振りに会うんだ。祐二と守と。」

写真の中の少女は笑ったままで話してはくれない。

わかってるのに…

わかってるのに…。

どうしても彼女がいるように思う。

「なあ、美香。
お前がいなくなってからみんな変わった。
でもさ、もう一度仲良くなれる事…できたんだ。
お前のおかげだよ。」

涙が一粒頬を伝う。

「俺達五人はいつまでも仲良しだからな。」

そう言って写真を元に戻した。

記憶が蘇る…。

八年前の記憶が。

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