君がくれたもの
(花火とか久しぶりだな。)

祐二は手に花火を持って守と歩いていた。

「なあ祐二ー。」

「どした?」

「俺思ったんだけどさ、美香とりっちゃん付き合わないかな?」

その発言にドキリと胸が鳴った。

嫌な感じがしてしょうがない。

「美香と律が?有り得ないだろ。」

笑い混じりに返事をしたが、守の顔はとても真剣で……

(美香と律が付き合う……)

想像してみると、お似合いのカップルに見える。

(そしたら俺は菜子と……)

でもそれは仮定であって。

現実なんて上手くいくわけない。

(菜子は律の事を…それに律だって……)

「祐二はどうしたいんだよ?」

「どうしたいって……」

「菜子の事好きなんだろ?」

「はあっ!!?何で俺が!!」

見透かされたようで、ついムキになり声が裏返る。

「……わかるんだよ。そんな事くらい。」

「菜子は俺の事……」

(何とも思ってないんだよ。律の事しか見てない。)

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