君がくれたもの
「絶対とか永遠なんてないんだよ。」

「祐二でもっ……」

「両想いとか叶わない夢なんて……みない。」

「違う!!美香とりっちゃんが付き合えば……!!
付き合えば、菜子は祐二を見てくれる!!
好きに……なってくれる!!」

本音を言ったつもりだった。

守が思っていた事を全部ぶちまけた。

美香と律が付き合う。

祐二と菜子が付き合う。

自分の事なんていい。

本当にいいのか……?

どこか意思と食い違って聞こえる言葉。

「……守は子供だな。」

「………」

「好きな人の幸せを願いたいんだよ。」

落ちた花火を拾いながら祐二が切なそうに守を見る。

「俺は菜子の事が好きだから……
だからこそ、菜子に幸せになってほしい。」

< 45 / 87 >

この作品をシェア

pagetop