君がくれたもの
幼なじみとしか見ていないし、恋愛対象とか……

恋愛対象?

いやいや、有り得ない。

首を横に振って考え直す。

「菜子向こう行ったけど、いいの?」

「いいけど……」

「そうなんだ。」

祐二がキッと睨むようにして俺を見た。

肩が震えて身震いする。

「なあ、最近さ菜子って積極的になってねえ?」

ハッとしたように祐二が顔を上げる。

「前から積極的だったよ。律が知らないだけだって。」

「そうか?」

「うん。」

祐二は思った。

(何で律?)

自分の方が顔も頭の良さもあきらか勝ってるはずなのに。

菜子を大切にする自信だってある。

でも、なぜなのだろう。

昔からだ。

どうしても、律には勝てない。

勝ってると思えない。

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