君がくれたもの
花火も終わり美香と二人で夜の道を歩いた。

田舎だから蝉の声が響いて涼しい風が頬を触る。

「来週から学校だね。」

「そうだったっけ?」

「もう、覚えてなきゃダメでしょ。」

肘をついてきながら笑っている美香。

「だって学校とか行く意味ねえし。」

「学校楽しいよ!!」

「そんなのお前ぐらいだって。」

顔を膨らませて美香は諦めたように続けてきた。

「……かもね。りっちゃん?」

「ん?」

「ちゃんと、学校行かなきゃダメだよ?」

「は?お前何言って……」

「遅刻しちゃダメだからね。」

「あ、うん。」

返す言葉も見つからず相槌を適当にうつ。

美香は俺の隣でただ、いつもみたいに笑ってて……

笑ってる?

暗くて表情すらわからない状況だ。

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