君がくれたもの
「律気持ちはわかるけど、今は体育館。」

察したように祐二と守が俺の前に来た。

「……うん。」

体育館に行くまで誰も喋らない。

きっと考えている事は同じなんだ。

どうして言ってくれなかったんだよ。

後悔ばっかりが残って痛かった。

胸が痛かった。

苦しいくらいに痛かった。

キュゥッと絞り上げられたみたいに。
< 58 / 87 >

この作品をシェア

pagetop