君がくれたもの
美香が転校した。

思っていなかった事に祐二は動揺した。

律と守と歩く道も一人で歩いてる気がしてしょうがない。

いつもだったら隣には美香がいて楽しい会話をしてたのに。

「昨日の晩御飯はカレーだったんだ。」

「宿題してないから後で見せて。」

今にも言いそうな台詞を並べてみる。

考えたっていない事は事実なのに。

信じれなかった。

そして美香に裏切られたと思ってしまう。

(勝手すぎるだろ。)

鼻の奥がツンとして目頭が熱い。

(……菜子は知っているのか?)

一人クラスが違う菜子の事を気にかける。

もし、知ったらショックを受けるのは目に映る。

俺達が言わなくても転校した事はすぐ知れ渡るだろう。

(菜子の耳に入る前に言わないと。)

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