君がくれたもの
「りっーちゃん、遊ぼっ。」

「うるっせえ!今良い所なんだよ!!」

聞き慣れた男の声が下の廊下から聞こえてくる。

どうやらやつは勝手に人の家に入り込んで来たらしい。

「なあ、遊ぼうってば!!」

ガラッと部屋のドアが開く音がする。

「……うっ!?」

振り返ると、見慣れた顔が一つ――――

いや、二つあった。

一人は大声でお構いなしに話しを続け、
残る一人は甘ったるい声で俺の名前を呼んでた。

「なんだよー。
エロいもんでも見てるのかと思ったらゲームかよ。
りっちゃん、大人になろうぜー。」

「守(マモル)エロいもんって何ー?」

「お前は知らなくていいんだよ!バカ!!」

ハッと、美香を見る。

短い黒髪がサラサラと揺れ大きい瞳に涙を浮かべている。

傷ついたらしい。

違う、腹が立ってるんだ。

俺と守の会話に入って来れないのが、悔しいらしい。

彼女にとって、それはイジメを受けている感覚と同じで……。
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