君がくれたもの
馬鹿ばっかやっていた頃とは違う。

前に進めようとしてくれている。

受け止めればいけないのだ。

「……ごめん。」

菜子もびっくりしたらしい。

すぐさま謝ってきた。

菜子も昔と変わってない。

本当は泣き虫で。

多分泣きたいのを我慢しているのだと思う。

祐二も同じだ。

平然としているけど、俺達と同じ痛みを持っている。

俺は、悲しいのか寂しいのかわからない。

心にポッカリと穴が空いている。

誰か埋めてくれる人を探しているが、そんな人いない。

「ここじゃないか?」

そんな事を考えてたら、住宅街に着いていた。

四人一緒に紙切れを覗き込み家を探す。

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