君がくれたもの
仮にそうだとしても、俺達が知ってる美香との思い出を
言うつもりなどまんざらない。

言っても信じないだろうし。

現に俺達だって、信じれないからだ。

美香と遊んだ事も、全部。

嘘みたいに思えてきたから。

自分の記憶の中に最初からいなかったみたいに。

「美香は幼なじみなんだ。」

「幼なじみ。」

聡さんが俺達四人に美香の事を話し出した。

一緒だ。

俺と祐二と守と菜子のように。

美香と春菜さんと聡さんも幼なじみだったんだ。

”幼なじみ”と言う単語を耳にし妙に反応した俺達。

「君達も幼なじみなの?」

「はい。俺と祐二と守と菜子も幼なじみです。」

「そっか。君の名前は?」

「律です。」

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