君がくれたもの
聡さんは何かを懐かしむように目を細めた。

「俺と美香は同級生で、春菜は一つ上なんだ。
いつも一緒に遊んでた。毎日、毎日一緒にいた。
一緒にいる事が当たり前のようにね。」

「……美香さんは、どんな人だったんですか?」

「明るい子だったよ。
笑顔がとっても素敵でいつも笑ってた。」

それを聞いて泣きそうになった。

喉が、やけに熱くなって声を出す事もできない。

菜子は美香の事を思い出したのか声を押し殺して泣き出した。

祐二は拳を強く握りやるせない表情だ。

守も菜子と同じで泣いている。

何が悲しいのかわからない。

泣いてる意味も自分達には、とうていわからない。

俺だって泣きたい。

でも泣くのが恥ずかしくて泣き顔を見られたくなくて。

強いフリをして泣かないんだ。

本当は泣きたいのに。

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