君がくれたもの
やっぱり似てる。美香と。

つい重ねてしまい切なくなる。

玄関から出た時。

聡さんが俺に厚い本みたいなのを差し出してきた。

「これ、美香の日記。」

「え?」

「律くんが持ってて。」

「でも……」

「いいから。」

胸元に押された日記を突き返す事はできなかった。

その日の帰り道は誰も何も喋らない。

気が重くなる。頭も痛い。

足取りも重いし。

手元にある日記をペラペラとてみる。

すると、ある日の日記のページに目がついた。

あ……これ。

思いきって俺は言い出す。

「暑いし俺の家に寄ってくか?」

「りっちゃんの家に?」

守が尋ねる。

「うん。ダメか?」

「俺は別に大丈夫だけど……。」

「菜子と祐二は?」

「私もいいけど。」

「俺も。」

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