君がくれたもの
あの日。夏休み最後の日。

聡を呼び出した。

遊ぼうって言って。

本当は大事な話しがあったからなんだ。

でも遊ぼうって言わないと聡来ない気がしたから嘘ついた。

お姉ちゃんにも内緒で二人だけ。

聡は凄く嫌がってた。

私が何度かしつこく言ったらわかってくれた。

じゃあ学校に来てね。

それだけ伝えて私は家を出た。

でも聡に会える事はなかった。

伝えなきゃいけない事も伝えれなかった。

学校へ行く途中に猫がいたの。

猫が大好きだったからじゃれて遊んでた。

携帯を見ると約束の時間が迫ってて急いで行こうとした時。

猫が国道沿いに走っていった。

その道は危ないよ。

って言って慌てて国道沿いに出て猫を抱き抱えた。

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