君がくれたもの
その瞬間。車の音がして振り返る。

目の前に大きなトラックが出てきて………

私は跳ね飛ばされた。

同時に意識を失った。

気がつくとベッドの上にいた。

ああ、私は死ぬんだ。

隣には泣きじゃくるお姉ちゃんの姿。

もう泣かないでよ。

私死ぬんだから。

これで聡と一緒になれるのに。

手は動かないし頭もズキズキとして痛い。

すると扉がバンッと開いた。

痛みを感じながらも扉の方を見ると……

聡が息を切らして目の前に現れた。

夢でも見てるのかな?

私、今泣きそう。

泣きたいのを抑えて笑顔を見せる。

聡は涙を溜めながら私のそばに来て手を握る。

痛いくらいに伝わってくる熱。

泣きながら何かを言ってるんだけど耳に入ってこない。
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