君がくれたもの
「学校ちゃんと行かないとダメだよ。
授業中も……寝たら、殴りに……行く、から。
それから……最後に……」

これが一番言いたかった事。

伝えなきゃいけなかった事。

やっと言える。

これで、私は……

「……お姉ちゃんの事よろしくね。」

大事にしてあげてね。

泣かさないでね。

守ってあげてね。

聡は頷きながら、約束してくれた。

私は聡に握られた手を握り返した。

精一杯の力で。

良かった。

本当に良かったよ。

今までありがとう。

お姉ちゃん、聡。

大好きだよ。

ずっとずっと大好き……

目を閉じながら記憶を辿っていった。
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