恋歌 〜secret love〜
┗少しずつ……
「これ、3曲持ってきたけど……どうだ?」
放課後。
勇人が持ってきた楽譜をみんなで覗いた。
六濱くんが、それらを順番に、手元にあったキーボードで弾いていく。
「うーん……。僕は、1曲目が好きかな。上げすぎず、下がりすぎずなメロディーとかテンポとか。
何か、元気が出そうな言葉を集めた歌詞にしたら良さそうかも……」
「あたしは3曲目かなぁ。
テンポも速くて、格好良い印象があるから、アレンジも派手にロックっぽくしてさ!」
阪崎くんと彩乃の意見に、みんなが個々に頷いたり、何かを呟いたりしてる。
「……でも、2曲目はマズいだろ」
ぼそっと低く言った六濱くんの声が、容赦なく音楽室に響く。
それと同時に、勇人は「やっぱりか」とうなだれた。
「確かにねー。これはちょっといまいちかも。何か……のたーっとしてる?」
「てゆーか、眠いわ」
「慶介も彩乃も、ひどくないか!?それ!」
「仕方ないわよ、勇人。紛れもない真実だって受け止めなさい」